誰でもすぐに音は出せる楽器ですが
その先にあるしっかり鳴り響く良い音色を目指して!
名前:神原 瑶子
最終学歴:洗足学園音楽大学
現在の所属:PRO WIND023
楽器を始めた頃:小学校
プロになろうと決めた頃:高校
【スティック】
数多く作り出されているスティック。演奏するジャンルや出したい音色によって使い分けますが、最終的に人それぞれの好みで選びます。太さやチップの大きさ、重さのバランスも様々。実際に手に取り、自分の手にしっくりフィットするかが大事です。そして当然ながら、2本1組になっているスティック、それぞれが同じ重さ&バランスであることが最も重要です。
多くの店舗で計量器が設置され、同品番のものが自由に選べるようになっていますので、慎重に選んでいただきたいところです。個人的にはロールの多いクラシック曲などはチップの小さいものが好みです。

【マレット】
世界中で多種多様なマレットが存在します。どんなものが良いかは自分の手に馴染んで演奏しやすいかどうかが最重要ですが、使う楽器や会場との相性でも左右されます。なので、公演当日になってマレットを変えることも多々。その他グリップ(4本撥の持ち方)や曲の奏法にもよっても選択されます。

マリンバやビブラフォンなど糸が巻かれているタイプのマレット(中低音より高い音域で使うもの)に関しては、購入する際は基本的に4本を一度に。つまり2組で1セットと考えます。4本撥にも対応できることが前提ですが、毛糸の種類やヘッドの形が突然モデルチェンジされることがあるので、同時期に同じものを購入した方が断然良いのです。

また、アンサンブル等で広音域にわたり演奏する際 は、同モデルの中で柔らかい(低)→硬い(高)とグラデーションに持つため、数種類の硬さを用意します。柄(持ち手)の素材は、同品番でバーチ(木)とラタン(籐)の2種類を提供しているものが増えてきました。どのグリップでも、どれを使ってももちろん構いません。

バーチは手にしっかり固定され、一本一本それぞれの独立性が良く、バートングリップやスティーブンスグリップの方におすすめ。私自身はトラディショナルグリップ。バーチを使用することもありますが、ラタンの方が手に馴染みます。籐のしなりも利用し、深い和音を生み出すことができます。

和音の演奏が多い吹奏楽曲では、ラタンの方がサウンドに溶け込みやすいのではないかと思います。また前述した通り、演奏する会場や気候などによって より良いマレットを選択します。クオリティは必ずしも値段に比例することはなく、例えばレコーディングでマイク通りが良いのはオールマイティで比較的安価なマレットだったりもします。

マレットの購入の際、気をつけたいのはやはり左右差です。多くのマレットは2本1組で袋売りされていますが、柄の太さが明らかに違ったり、ヘッドの部分の大きさもまちまちだったり…ということがあります。スティック同様、できれば数組の中から自分なりにオーディションを行い、バランスの良い2本、もしくは4本を選定するのが理想です。地方だとこれがなかなか難しいところですが。必要最低限の取り寄せになったり、1組ずつしか在庫がなかったり…ここは各店舗にもご協力いただきたいなと感じます。

マレットは 消耗品です。糸が切れてきて中のゴム芯など見えるようなマレットは楽器を痛め、音色もムラができ粗悪になりますので使用を控えてください。また、購入後すぐの新品だと若干糸がゆるく、想像より柔らかめな音色であることが多いです。少し使ってなじむと糸が締まり音飛びがよくなりますので、その辺りを想定し演奏本番に向け早めの準備をおすすめします。

【ヘッド】
音色を大きく左右するものながら放置してしまいがちなヘッド達。特に、ティンパニやバスドラムといった大型楽器に関しては、最終交換時期も謎だったりしますよね。ヘッドの寿命は、使用頻度にもよりますが基本1年~2年と言われています。スネアドラムではさらに短くなります。チューニングを繰り返すことにより、その伸縮で劣化します。少なくとも外した時に表面がベコベコと歪んでいたら交換したいところです。

そして大型楽器は、ヘッド交換時に日付を記録しておくと良いでしょう。ヘッドもそれぞれの楽器においてさまざまな種類のものが出ています。言ってしまえば「好み」です。厚さや素材によって音色が変わるので、演奏する音楽ジャンルも決まってきます。大きく本皮とそれ以外(プラ スチック)に分類されますが、それぞれ利点があります。より深みのある音色を追求した時に本皮が好まれ、条件が整った時の一音はとても心地よく最高の音が鳴り響きます。しかし、湿度や気温、気候など環境に左右されやすいところが難点。私が住んでいる山形は一年通して寒暖の差が激しく、楽器にとっても厳しい環境といえます。保管や運搬時もデリケートに扱わなければなりません。

その点ではプラスチックヘッドの方が使い勝手がよいかと。本皮に近づけたものもたくさん出ていますね。いずれにせよ、正しいチューニングと保管を徹底すれば状態の良さをキープすることができます。

ヘッドの話から逸れてしまいますが…

鍵盤楽器(特にシロフォン、マリンバなど)の音板もメンテナンスは必須です。元々板を削ることによって音程を定めていきますが、演奏することで磨耗が進み、チューニングが狂っていきます。削るにも限度があるため、酷くなると割れていなくても交換しなければなりません。時間も金額もかかるため、なかなか頻繁にはできないものですが、管楽器との音程感に違和感を覚えたら検討してください。

稀にご自分で調整される方もいますが、こればかりはメーカーの専門家へ。ものすごく特殊で繊細な作業の中で行われるものですので。

【アマチュア奏者&打楽器素人な指導者へのアドバイス】
打楽器を演奏される皆様には、その熱意と豊富な知識に敬服するばかりです。こちらが勉強させていただくことも多々有ります。音楽は、何よりも楽しんで表現することが大事ですよね。これからもお互いに打楽器を愛でていきましょう!

指導者の皆様は「打楽器のことはわからなくて」と仰る方が多いのですが、その中でとても効率よくご指導いただいている現場が多いと感じます。誰でもすぐに音は出せる楽器ですが、その先にあるしっかり鳴り響く良い音色を目指していただきたいと思います。そのためには楽器の状態やマレット類の充実も欠かせません。楽団所有のものが多いと思いますので、メンテナンスもしっかり行っていただければと思います。

【一番好きな吹奏楽曲】
アルメニアン・ダンス パートⅠ/A・リード

【所属楽団のマイベスト1アルバム】
PRO WiND 023