管楽器愛好家のための季刊誌
BAND LIFE Vol.2 夏号
全国書店にて好評発売中!
価格:1,350円+税

「仰げば尊し」ノヴェライズ化、発表!

バンドライフ編集長、エノモトです。

タイトルに「ノヴェライズ」って書いたけれど、その意味はNovel(小説)にするっていうこと。

日本で最初に有名になったのは確かSFの巨匠アイザック・アシモフによる「ミクロの決死圏」だったような気がするが、どうですか?え?その映画自体知らない?人体を縮小して患者の体内に送り込み、直接患部を攻撃して病気を撃退する…というシンプルな計画が、思わぬ出来事の連続で実に複雑かつスリリングな事件に発展する…という映画。

映画の人気を見て、原案に参加していたアシモフ御大が小説にしたのです。

そう、ノヴェライズというのは、映画や劇等が完成したあとでノヴェル(小説)にすること。

ノヴェルというのは、何かを「述べる」という駄洒落じゃなく(当たり前か)「新しい」という意味のラテン語を語源とする言葉。

初期の小説は、それまでの韻文=詩とは異なり、リズムにとらわれない普通の文章によって新しい事件や考え方を表現するる…という機能を持っていた。そこから派生した「散文形式の文章による言論」という形式に付与された言葉がNovelだ。

原作があるものを映画化する…のではなく、映画を小説化する、ということ。これが実に面白い。映像を思い出しつつ、その裏にあるさまざまな想いにまで言及したノヴェライズを読むと、小説と映画を一度に楽しむ快感が味わえる。

で、我らがTBS「仰げば尊し」もついにノヴェライズされることが発表された(棒線を引いたところをクリックしてね)

大好評の映画版「青空エール」も、こちらに。

第二期が発表された「響け!ユーフォニアム」では、スピンアウト企画としてサンライズフェスティバルに出てきた「立華高校」の「佐々木梓」を主人公にした小説が登場。

「仰げば…」本編のテレビ放映は、顧問・樋熊(ひくま・演じるのは寺尾聰)の病気が視聴者にも明確にわかる(しかし生徒たちは知らない)展開となり、ハラハラドキドキの終盤戦にさしかかっている。だからテレビ放送も録画するなり仮病をつかって早退するなりして日曜午後9時からはぜってー見て欲しいんだけど、それはそれとして、小説になったらそれらもきちんと読んでみて欲しい。

ノヴェライズは、決して脚本を単に小説風にしただけではない。

脚本と本編の世界観をきちんと整理してくれる機能を持っているのだ。売れない作家のやっつけ仕事ではない気迫にあふれた文学作品といえよう。

「仰げば…」本編は、さすがに俳優さんたちの演奏をそのまま収録するのが厳しくなるくらいの状況(つまり、コンクール本選に向けての必死の練習シーンですね)になってきたけれど、前にも書いたけれど、現場では本編そのもののように「うまくできたー!」「やったー!」という快哉の連続で、リアルにみんな吹き続けている。

音楽監督の山口れおさんはこう言っている。

「最初はみんな戸惑っていましたが、自分たちの必死に練習した音が画面に活かされているのを知って、みんなの士気は急上昇してるんです」

最初はすべて「音楽部分は別のプロが収録するので、君たちはアテぶり(カッコだけやって、音は出さない)という条件だったはずなのだが、それが山口れおさんの指導で一変。現場はリアルに吹奏楽部化しているという。

しかし、事情はともかく「コンクール本番」という場面では、いくら頑張っているとはいえ初心者に毛の生えたような(失礼!)俳優さんたちの演奏を流したら、ちょっとまずいよね。

実は当初、すべての演奏シーンは別に収録したプロによる演奏音源をかぶせる「アテぶり」の予定だった。ところが、俳優さんたちの予想外?のがんばりのおかげで、かなり多くのシーンで俳優さんたちが実際に演奏した音源が使われていた、というのだ(現場取材より)

第6話(8月27日放送)では、《エル・カミーノ・レアル》を始め数多くの本格的演奏シーンがあった。

どれが「アテぶり」で、どれが俳優さんたちの熱演だったか、わかるかな?

 

(「バンドライフ」編集長・榎本孝一郎)